中高年におすすめしたい資格(2)~「臨床心理士」 でご紹介した「臨床心理士」は、指定大学院の卒業等の受験資格が必要になることから、どうしても相当の時間と費用がかります。
「心理学に興味はあるものの、中高年のいまからはそこまで時間と費用を投入できない」、それでも「体系的な心理学の勉強にチャレンジしてみたい」という中高年世代におすすめしたい資格が、2008年から毎年実施されている「心理学検定」です。
第8回試験(2015年8月実施)の受験者数は、3,600名強に上っています。
心理学検定は、心理学の発展を目指すことを目的として51の心理学関係団体が加盟する『日本心理学諸学会連合』が主催する、大学・学部卒業レベルの心理学の知識・能力を客観的に測るための資格試験です。
心理学検定 受験ガイド概要
合格領域数に応じて「特1級」「心理学検定1級」「心理学検定2級」の3つがあります。
「心理学検定1級」が、心理学専攻の大学卒業程度の水準とされます。ちなみに取得した資格は生涯有効であり、更新の必要はありません。
検定試験は10科目から成り、各科目20問が4択選択式で出題されます(全科目合計で20問×10科目=200問)。
「科目別合格」の制度があり、合格実績は5年間有効なので、資格取得に必要な科目を計画的に追加取得していくことができます。
10科目は以下のA領域(5科目)&B領域(5科目)から成ります。
10科目すべてに合格すると「特1級」、A領域の4科目を含む計6科目に合格すると「1級」、そしてA領域の2科目を含む計3科目の合格によって「2級」を取得できます。
A領域:原理・研究法・歴史/学習・認知・知覚/発達・教育/社会・感情・性格/臨床・障害
B領域:神経・生理/統計・測定・評価/産業・組織/健康・福祉/犯罪・非行
心理学検定においては、公式テキストとして基本キーワード集・問題集・一問一答集とラインナップがひと通り揃っています。
心理学検定の勉強法
これまで学問としての心理学にまったく馴染みがなかったという中高年世代も、これらの公式テキストを順を追って勉強していくことにより、試験対策を兼ねた心理学の専門的知識・能力を、体系的に身につけていくことができます。
出題傾向が比較的はっきりしている点が心理学検定の特徴とされており、公式テキストを中心に地道な勉強を続けることが、合格への最短距離と言えそうです。
心理学検定の活用・メリット
この資格の取得により、心理学という学問分野の全体を見渡す基礎力がつくだけでなく、専門性を深めていくための良き道しるべともなることでしょう。
・心理学検定
【試験日】 毎年8月(全国各会場で実施)
【受験資格】 特になし・誰でも受験可
【合格率】 1級17~27%、2級30~40%前後(第1回~8回実績幅)
【問いあわせ先】 一般社団法人 日本心理学諸学会連合 検定局