パソコンやインターネットが使えないことである種の引け目を感じている高齢者は、私たち中高年が想像する以上に多いようです。
たとえばスマホを使いこなす遠方の孫とメールやSNSでコミュニケーションをとりたいのに、機器の使い方がわからなくてあきらめている地方在住のお年寄りなどは、少なくありません。
また、パソコンやネットを使う高齢者と全く使えない高齢者の間で一種のデジタルデバイド(情報格差)が生じ、地域の人的交流の妨げになっているケースもあるようです。
いくらPCやタブレットのデバイス性能が向上したにせよ、高齢の初心者が自力で使いこなせるようになるには、まだまだ敷居が高い現状です。
そのような地域の高齢者の学習ニーズに応えるパソコン・インターネット講習会の講師やボランティアスタッフとして、住み慣れた地域社会に貢献するのもまた、やりがいのあることではないでしょうか。
「シニア情報生活アドバイザー」は、主として高齢のパソコン初心者に対し、PCやソフトウェア・インターネットの使い方を講習会を開催して教えるための、指導者資格です。
一般財団法人「ニューメディア開発協会」が認定する民間資格で、全国の有資格者数はすでに3千人を超えています。
全国的に募集した地域NPOやボランティア団体による「養成講座実地団体」が養成講座および資格認定試験を実施し、専門知識と指導能力を持ったアドバイザーの養成にあたる仕組みです(ただし合否の決定は、ニューメディア開発協会が行います)。
ちなみに全国の養成講座実施団体については、こちらからご確認ください。
養成講座では、アドバイザーにふさわしい技術力や支援能力・活用能力を身につけるための講義が行われます。インターネット関連では、最近クローズアップされがちなネットセキュリティや著作権の知識なども学習します。
もちろん初心者に対する教え方、さらに講義案や教材の作り方等についても講習が行われるため、「人に何かを教えた経験が無い」という方でも大丈夫です。
1ヶ月程度(3時間/回×8回=24時間)のカリキュラムから成る講座を履修後に、認定試験を受ける必要があります。試験は筆記・実技・プレゼンテーションからなり、合格者には認定証が発行されます。
シニア情報生活アドバイザーの資格は、その質を維持するため「3年ごとの更新制(有料)」になっています。なお受験資格は「おおむね50歳以上」となっていますが、50歳以下でも受験OKです。
・シニア情報生活アドバイザー
【試験日】 実施団体で異なる(養成講座の最終日が多い)
【受験資格】 PC活用者で概ね50歳以上(以下でもOK)
【合格率】 7割前後(全国平均)
【問いあわせ先】 シニア情報生活アドバイザー制度 事務局