中高年の資格取得、ホントに役立つ資格はコレ! の記事一覧

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中高年におすすめしたい資格(23)~「傾聴」のスキルを磨く


SNS・ネット、さらにはAI(人工知能)を通じた非対面・非対人のコミュニケーションの機会が増える中で、人の話をていねいに「聴く」機会はかつてに比べ、明らかに減ってきています。


中高年世代の身近なところで言えば、やがてくる退職後、妻や子・孫あるいは友人との会話の頻度も増えてくるでしょう。親の介護に携わる場合は、親のよき話し相手も務めねばなりませんね。

国内の65歳以上の独居高齢者世帯は、軽く600万世帯を超えています。伴侶に先立たれ一人暮らしを余儀なくされ、ほとんど人との会話を交わさず一日を終えるお年寄りの数は、増える一方です。


また働く世代であっても、非正規雇用や在宅勤務の増加傾向が、他人とのコミュニケーション機会の減少をもたらすようになってきています。

さらに失業やリストラをきっかけにした「中高年世代の引きこもり」といった、かつての日本には無かった社会問題も生じています。


少し周囲を見渡しただけでも、世代や生活環境を問わず、人とのぬくもりのある会話に飢えている方が、現在の日本にたくさんいることにお気づきでしょう。


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現代社会は個々の生活シーンの多様化が進みすぎ、「誰と何を、どれくらい聴いたり話したりするのか」について、いざ相手と対面するとコミュニケーションの道筋を見失ってしまう人が、あまりに多くなっています。


世には数多くの、「人の話を聴く職業的専門家」が存在しています。

傾聴」は一言で言えば「人の話を聴くための技術」ですが、「話をきくだけなら誰にでもできるだろう」と、つい思いがちではないでしょうか?


英語でも「聴く」のは「listen」、「聞く(聞こえる)」のは「hear」と使い分けますが、よく「聴く」には聴き手側に、話し手とのコミュニケーションに主体性・能動的に関わろうとする態度が求められます。

同時に、相手を説得したり否定したり、あるいは自分の話に転嫁してしまうのではなく、相手に「共感」するための一定の技術が必要とされる場面も多くあります。

その場合、技術を磨くための意識した訓練や、あいづちや表情・身ぶり・手ぶりといった、「共感を表す適切な表現技術」を使うことも必要になりますね。


「傾聴」に関わる公的な専門資格としては、中高年におすすめしたい資格(2)~「臨床心理士」 でご説明した「臨床心理士」や「キャリアコンサルタント」「産業カウンセラー」等が一番近いポジションにありますが、これらは対象者が病気の患者や企業人等に限定されており、一般的な日常の生活シーンを直接に想定した技能ではありません。

一方で傾聴を組み入れた民間資格は多くあり、複数の民間の学会やNPO法人等が、「傾聴療法士」「心理カウンセラー」「心理療法士」「精神対話士」などの資格講座を用意しています。


各地の自治体・社会福祉協議会・NPO法人等で「傾聴ボランティア」を募集しているケースをよく見かけます。これらは、募集側が一定の養成講座への参加を求めることはあっても、あくまでボランティアとしての位置づけであり、専門的な資格まで求められるケースはまずありません。


傾聴に関わる民間資格の取得要件は主催団体によっても異なりますが、テキストや聴講を通じた理論の学習、および実際の座学・スクーリングによる傾聴の実践トレーニングを経て、課題終了後・レポート提出後に資格を授与する、というのが一般的です。


ただし現状では残念ながら、受講料が数万~十数万円と、比較的高額に設定されたケースも多いようです。また資格の名称も細分化しており、具体的に何を専門とした資格なのか、初心者にはわかりづらくなっています。

まず「傾聴」とは何か、傾聴の基礎的なスキルを学んでみたいという方は、初心者向けの本を読んだり、あるいはカルチャーセンター等で不定期に開催される傾聴講座の受講から始めてみてはいかがでしょうか。

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その後に専門性をさらに深める必要を感じたなら、その段階でこれら民間資格の取得を検討してみるとよいでしょう。


「傾聴(の技能・資格)」は、たとえば再就職の面接等では、直接的にアピールしにくい能力に属するかもしれません。

しかし生活の場であろうと、あるいは仕事の商談であろうと、「人の話を上手にきちんと聴く」ことは、明らかに経験と訓練を要する技術です。しかも今後の人生のあらゆるシーンにおいて、応用の効く技能です。


人の一生はつきつめれば、記憶(インプット)と言葉(アウトプット)の連続です。

会話によるリアルなコミュニケーションのチャンスが失われがちな現代、傾聴を学ぶことの重要性は逆に増してきているのではないでしょうか。

中高年世代がそれぞれの立場で臨む人生の後半戦、「聴く技術を学んでおいてよかった」と感じる瞬間が、いつの日か必ずや訪れることでしょう。

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